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本や映画の感想

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2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

阿佐元明『色彩』“怖くて仕方がなかった。全身から汗が噴き出し、逃げ出したくてたまらないほどそこに立っていること自体が怖かった。”

「毎日同じことの繰り返しだなあ」 ふと、自分の日常が色あせて見える瞬間はありませんか。かつて抱いていた夢や情熱は、いつの間にか心の奥底にしまい込まれ、かといって今の生活に大きな不満があるわけでもない。そんな、言葉にならない感情のグラデーショ…

井戸川射子『共に明るい』“言葉は息に遅れてでてくる”

もしあなたが乗ったバスの中で、見知らぬ誰かが突然、自らの過去の痛みを静かに語り始めたら、どうしますか。耳を塞ぎますか、それとも、ただじっとその言葉に耳を傾けますか。 今回ご紹介するのは、詩人であり小説家の井戸川射子さんが『群像』2023年1月号…

墨谷渉『潰玉』“女の子でも割れるような弱っちい玉子なら、人類に必要ありませんさようなら。”

人間の欲望は、時に常識の枠を大きくはみ出してしまうことがあります。今回ご紹介する墨谷渉さんの『潰玉』は、まさにその人間の心の深淵を覗き込むような、歪で、しかし純粋な欲望で結ばれた男女の物語です。 法律事務所に勤める男、青木。一見、何不自由な…

墨谷渉『パワー系181』“これこそ本物のエクスタシーだと思った。”

もし、あなたが誰にも負けない圧倒的な『力』を手に入れたら、その力を何に使いますか? 今回ご紹介する墨谷渉さんの『パワー系181』は、そんな究極の問いを読者に突きつける、非常に刺激的でパワフルな一冊です。第31回すばる文学賞を受賞した本作は、身長1…

大前粟生『きみだからさびしい』“「わたし、ポリアモリーなんだけど、それでもいい?」”

「好きなのに、さびしい」——このどうしようもない感情の渦に、あなたも飲み込まれた経験はないでしょうか。今回ご紹介する大前粟生さんの『きみだからさびしい』は、まさにそんな恋愛の核心を突く物語です。 主人公は、恋愛に臆病な青年・圭吾。彼が好きにな…

田中慎弥『完全犯罪の恋』“会わないからこそ二人のつながりはより強固になる、誰にもばれずに。完全犯罪だ。”

芥川賞作家・田中慎弥が描く、初の本格恋愛小説『完全犯罪の恋』。主人公は、携帯もPCも使わない、四十代の作家「田中」。この設定に、多くの読者は著者自身の姿を重ね、物語の世界へと引き込まれていくでしょう。 しかし、本作は単なる私小説ではありません…

香港・日本合作映画『kitchen キッチン』“この世で一番私の好きな場所なの”

キッチンは、孤独な心が帰る場所。 1997年に公開された映画『kitchen キッチン(原題:我愛厨房)』。本作は、日本の人気作家・よしもとばななさんの代表作『キッチン』を、香港を舞台に映画化した一作です。 唯一の肉親である祖母を亡くした日本の少女アギ…

岸川真『蹴る』“こいつ自然に死ぬな――不意に蹴ってみたくなった。”

この小説は、あなたの倫理観を根底から揺さぶるかもしれない 今回ご紹介するのは、岸川真さんの短編小説『蹴る』です。この物語は、2015年に文芸誌『文藝』で発表され、後に作品集『暴力』に収録されました。タイトルが示す通り、本作が描くのは、ひたすらに…